幸せかどうかは主観的なもの。
それは、固定的な主観じゃなくて今の主観によるものです。
「これまでの人生、ひとつも良いことがありませんでした」
と仰る方で、
本当に運が悪くてひとつも良いことがなかったね、
と思ったことは一度もないです。
むしろ、運が良いしいろいろ結果を出してこられたんですね、
という場合が多いんです。
「こんな良いことありませんでした?」
「こんな素晴らしい事もありましたよね?」
と、ひとつひとつ確認していくと
ちゃんと幸運を受け取ってきた事を思い出してくださります。
良いことがあったのは忘れていないけれど
今がつらい時には、
良かった過去の思いはどこかに飛んでしまったりするんです。
今に焦点が当たっているから、そりゃそうですよね。
また、誰でも苦しくつらいダメージを受けると
良い記憶よりも悪い記憶の方が強く心に残るんです。
幼い頃の傷ついた気持ちなどは、
大人になっても強く残っている事があるでしょう?
人間には防衛本能があるから、
良いことより痛みのほうが敏感なんです。
何にも良いことがなかったって思うほど落ち込んでいるときには
無理に「そうじゃない」って思う必要はないと思います。
だから
こんなに良いこともあったよねってポジティブになろうって話じゃないです。
「良いこともあったけれど、今はそんな風に思えない」って
どーっぷり落ち込むといいと思うんです。
最近は何でもポジティブ信仰なんですかね?
なにかあっても、すぐ前向き前向きってする風潮?に
そんなわけないだろー。と心の中で思ってしまいます。
大変な状況にあっても、本人が前向きな発言をした方が周りは楽です。
でも、本人は楽になるわけないです。
落ち込んだ心に前向きな発言をしても、すぐに心はついてきません。
ある程度の時間が必要です。
すりむいた傷だって瞬時に再生しませんよね。
再生するには時間がかかるんです。心の傷も同じです。
無理しないで手当した方が治りが早いのと同様に、
落ち込むときはどっぷり落ち込んだ方が
前向きになるのが早いものだと思います。